ATT&CK連載Part 2では、MITRE ATT&CKマトリックスに含まれる攻撃技術について紹介しました。Part3である本ブログでは、ATT&CKを実践的に活用する方法を解説します。
ATT&CKを活用することで、企業は攻撃者の攻撃手法を理解し、セキュリティレベルを向上させることができます!
ATT&CKの活用方法
ATT&CKを活用する方法には、以下があります。
ATT&CKを活用した攻撃シミュレーション 攻撃者と同じ手法で攻撃シミュレーションを実施することで、システムに潜在する脆弱性を発見することができます。ATT&CKを用いた攻撃シミュレーションでは、攻撃者が使用する攻撃技術を再現することができ、リスク評価やセキュリティ戦略の策定に役立ちます。
ATT&CKを使った脅威分析 ATT&CKを用いることで、企業は攻撃者がどのような攻撃手法を使用しているかを理解することができます。脅威分析を実施することで、攻撃者がどのような攻撃を計画するのかを事前に把握することができ、セキュリティ対策を立てることができます。
ATT&CKのツール
ATT&CKを活用するためのツールを導入することで、より強力に効率よくATT&CKを利用することができます。ここでは、ATT&CKを活用するための主要なツールを2つ紹介します。
Mitre's ATT&CK Navigator 攻撃手法の可視化が可能で、ユーザーが関心のあるテクニックに重点を置いたビューを作成することができます。また、脅威グループや攻撃手法に関する情報も提供されています。
OpenCTI CTI(サイバー脅威情報)とATT&CKマトリックスを統合することができます。ATT&CKのテクニックがどの脅威グループに関連しているかを特定することができます。
ATT&CKとセキュリティ対策
ATT&CKを活用したセキュリティ対策には、以下があります。
ATT&CKを活用した脅威インテリジェンスの収集
ATT&CKを用いることで、攻撃者が使用する攻撃手法や脅威グループについて情報を収集することができます。この情報をもとに、セキュリティ対策の策定が可能です。
サイバーセキュリティのシミュレーション
ATT&CKを用いた攻撃シミュレーションを実施することで、システムに潜在する脆弱性を発見することができます。これにより、実際の攻撃に対する防御策を立てることができます。
脅威インテリジェンスの統合
ATT&CKを活用することで、サイバー脅威情報(CTI)との統合が可能になります。これにより、セキュリティ対策の戦略立案やリスク評価を行うことができます。
脆弱性診断の実施
ATT&CKを活用して、特定の攻撃技術に関連する脆弱性を特定することができます。この情報をもとに、脆弱性診断を実施し、早期に脆弱性を特定し、対策を講じることができます。
今後の展望
MITRE ATT&CKマトリックスは、今後も継続的に更新が行われ、新たな脅威に対応するために改良が加えられていくことが予想されます。企業は、ATT&CKマトリックスを活用することで、常に最新の脅威に対応することができます。また、セキュリティ対策だけでなく、攻撃者の攻撃手法を理解することで、よりリアルな攻撃シミュレーションが可能になり、セキュリティ対策の改善につながることが期待されます。さらに、ATT&CKマトリックスは、企業だけでなく、セキュリティ業界全体で共有されることで、より効果的な脅威対策が実現することが期待されます。
まとめ
本ブログでは、MITRE ATT&CKマトリックスを実践的に活用する方法について解説しました。企業は、ATT&CKを用いた攻撃シミュレーションや脅威分析、セキュリティ対策の手法やツールを活用することで、攻撃者の思考を理解し、セキュリティレベルを向上させることにつながります。 今後、セキュリティ対策に取り組む企業や個人にとって、ATT&CKマトリックスをはじめとするフレームワークを活用することがより重要になってくると予想されます。
Part 1~Part 3の連載を通して紹介させていただいた、MITRE ATT&CKの解説とその活用方法がみなさまの参考になれば幸いです。
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